炎跡
第一回 炎跡 炎との出会い
時は2007/03/17(金)
(更新時は2009/01/02)
焚き火を初めて決行したのはいつだったか
頭の中で辿って行くと、次から次へと古い記憶が呼び戻される。
ちなみに、これを書いてるのは2009年1月3日だ。
鉄之助と相変わらず山の中を「とっとい」していた頃
そのときのブームが「石投げ」だった。
テレビゲームなんかよりよっぽどおもしれー
三重の山中に迷い込み、石投げの聖地を発見。
腕の筋がイカれたり、鋭利な石で指を切って流血してははしゃいだ。
合間に水辺にちょこんと生えていた枯れ草に火をつけたのが焚き火との出会いか。
ちょこんと生えている枯れ草なので、すぐに火は消える。
火は男共を、もとい、漢共を虜にしていった。
オレンジとイエローの非現実を作り出すあたり
赤で草木を焦がす煙の、漢の香りを醸し出すあたり
日常に疲れた漢共の、横顔を煌々と照らし出すあたり
月夜に凍える漢共の、鉄腸を優しく包み温めるあたり
漢共はこうも簡単に火に魅せられていくのだ。
気づくと岩を組み、小枝を夢中で探していた。
最初は否定的であった鉄之助も、もっと大きな炎を見たいと望んでいたのだ。

俺たちが初めてくべた火だ。
火を眺めているだけで心が落ち着くのは何故か。
心が落ち着くのか?
それとも、気持ちが高ぶるのか?
どちらにしても俺にとって「火」は、「よい」気分にさせてくれるものだ。


火を操る漢共。
漢とは、火を自由自在に扱って、初めて一人前だと思うのは俺だけだろうな。
しかし、ある程度落ち着いた火を、木の棒で突くのはある種快感だ。
自分が突くことによって、そこにある「火」の構成も変わってくるのが面白い。
鉄之助は、火を扱う料理人だけあってうまいもんだ。
この頃は料理人じゃぁなかったがね。

初春だが、まだ昼でも肌寒い。
手の平から伝わる単純且つ明快な温度に癒される。

ちょい遠くから「火」を眺めてみた写真だな。
この距離からでも、火が煌々と息づいて揺らめいているのがよくわかる。

三重から帰宅し、興奮冷めぬまま、
いまではもうお馴染みになった甌穴にて火を起こす。
昼間と違い、暗闇の中。
赤々と炭が光り、あたりを血の色に染める。
<所感>
本当は、今現在からの「炎跡」を記録して行こうと思っていたのだが、
初めて火を起こした序章から記述していたとき、
ふと、その時の写真があるような気がして、
PC内を捜索したところ発見したので、
この際全ての「炎跡」を記録しようと思い立ったのだ。
写真を撮ってないものや、記憶すら曖昧なものも記録することにする。
「火」は偉大だ。
「火」は全ての根源であり、エネルギーである。
言ってしまえば、「太陽」も「火」だ。
その「火」がなければ、今日の地球の繁栄は考えられない。
「火」は、また、「悪」にもなる。
「火」は、全てを燃やし尽くす。
自然であれ、動物であれ、燃やそうと思えば、
全てを燃やし尽くす「力」を持っているのだ。
そう、つまり、「火」は純粋に「火」でしかない。
「火」を構築する者の如何によって、
「火」は善にも悪にもなりうるのだ。
その、一見愚鈍な単純さに俺はとてつもなく惹かれる。
「火」を見て、男なら必ず血潮が沸騰することだろう。
今までの連れの中で、焚き火をしにいって
興奮しなかったやつはいない。
俺は、生き続ける限りどこかで火を構築していたいと切に願う。
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