旅跡

第六十六回 Touring 蛍漂う

時は2011/7/14(木)
俺が突然思いついたのはナイトツーリング。
先週あたり家族で近くの蛍スポットを見に行ったのだが、わずか2匹くらいのものだった。
もっとたくさんの蛍を目の当たりにしたい。。そう思った。
山の方へ行けば大量の蛍を見られるかもしれない。

蛍の時期は6月中旬から7月中旬まで。
蛍の時期ぎりぎりだが、なんとかなるだろうと思った。
何よりも 「蛍を見に行くツーリング」 というのに心躍った。斬新ではないか。
初めは夜だけのツーリングにしようかと思ったが、
せっかく昼間も時間があるので、いつも通り朝から発って、夜までどっぷり走ろうと思った。

相方はもちのろんゾノリータ。
メインは蛍だが、走りも三ケ日辺りを開拓し、
温泉は鳳来を開拓し、
食は富田屋でうなぎを食すというフルコースで行くことにした。
集合は8時。

〜走程〜

出発 ⇒ … ⇒
県37東進 ⇒ くらがり峠、本宮山コンボ ⇒ 国301南下 ⇒ 県69東進 ⇒ 県392東南進
県81南下 ⇒ 県445南下 ⇒ 県308南下 ⇒ 県68風越峠東北上 ⇒ 国257南下 ⇒ 県68東進
県299北上(いなさ湖) ⇒ 県47北上 ⇒ 県298北上 ⇒ 県442西進&南下(阿寺の七滝) ⇒ 県439北上
国151北上 ⇒ 鳳来ゆーゆーありぃな ⇒ 国151北上 ⇒ 国473西北上 ⇒ 国257北上 ⇒ 高原道路
折元から県10南下 ⇒ 国257南下 ⇒ 富田屋 ⇒ 国257、10北上 ⇒ 県427東進 ⇒ 蛍の里
富田屋まで引き返し、257⇒420⇒473⇒363でいつも通り引き返す
⇒ … ⇒ 帰宅

66_00.JPG

午前の部は走りを楽しむ。
愛知の山は秀逸だが、如何せん飽きが来ている。
ので、三ケ日辺りを開拓することに。
こちら方面はくらがり渓谷⇒本宮山を使う。
画像は本宮山。路面は舗装のつなぎ目が少々気になるが快走路。

66_01.JPG

本宮山出口の国道301。
いつもはここから北上して津具方面へ行くのだが、今回は南下。
浜名湖北部、三ケ日辺りを開拓する。
道の確認。

66_05.JPG

突き当たる別所街道を県69に折れる。
鳥原の信号を県392に入って南下。
写真は県392。69と共に交通量少なく田園広がるのどかな道。好きな道。
是非また走りたい道だった。

突き当たった県81を南下。
快走路。

66_12.JPG

県445⇒県308とつないで南下。
いづれも走りやすくていい道だったと記憶している。
ここいらの道は平坦で走りやすい。
写真は県445⇒308の辺り。
みかん畑を見て、ああ、三ケ日を走っていたと思い出した。

66_14.JPG

実は、奥浜名オレンジロードを走りの方ではメインに考えていたのだが、
特に下調べもせずにいったら目立った看板も出ておらず、
見つからないので県68の風越峠へ向かうことに。
初めは良かったのだが、山を上りだすにつれて幅員減少し、結局悪路に。

66_17.JPG

山を下りると幅員回復。
快調にいなさ湖を目指す。
湖までは快走路で非常に秀逸であったから、
県68が悪路というよりは風越峠が悪路という結論となった。
画像はいなさ湖直前の県68。
こういう道を見下ろすと俄然テンションが上がる。

66_19.JPG

いなさ湖。
いたって普通のダム。
特に思い入れも無いのでそそくさと退散。

66_25.JPG

いなさ湖の県299⇒298⇒505と北上して、県442を東南進すると、
阿寺の七滝の文字が。
車では行ったことがあったが、ツーリングでは立ち寄ったことがない。と、思われる。
ので、立ち寄ってみることに。
ゾノは初めてらしいので、立ち寄る価値もあるだろう。
いざ着いてみると、駐車料金を取るとのこと。
自己申告で徴収箱に金を入れる仕組みだった。
駐車料金を払うほどの価値は感じられないので、駐車場ではなく道の路肩に停める。
バイクだから良かったものの、車では来たくないところだ。

66_27.JPG

阿寺の七滝。
記憶では、5分少々で着くと思っていたのだが、その3倍ほど時間がかかった。

まだ上があるということで、ゾノだけ登ることに。
俺は前に見たのでそこらへんをうろつく。
すると、滝から流れる川に魚が。
これはなんだろう?鮎?ではないか?

66_30.JPG

国301を北上し、「鳳来ゆ〜ゆ〜ありいな」を目指す。
が、先行するゾノはその先にある「梅の湯」と勘違いして通り過ぎていってしまった。
当然電話にも出ない。
こういうときインカムがあればなぁと思う。

66_31.JPG

ゾノも無事帰還して、ゆーゆーに無事到着。
国道からちょっと入ったところにあるので結構わかりにくい。
しかも、駐車場も広くなく、すぐに一杯になってしまいそうだった。
国道沿いに、舗装されてないような第二駐車場があるが、少し歩かなければならない。

温泉はさらさらで、しょっぱくもなかったと思う。
露天風呂があり、なかなかゆっくりできる。
が、サウナは小さい。定員4名くらいではないか?

夏の風呂もなかなか乙なもんだが、長居はする気になれず、ゾノに先んじて出る。
扇風機にでもあたりながらしばらく待っていたが、
予想以上に遅いので先に飯屋に入ろうと着替えているとゾノが出てきた。
先んずるとゾノに告げ、併設の「レストゆーゆー」へ。
写真のゆーゆー定食(?)(1400円)を注文。今年初の鮎だ。
時間がかかるというので、五平餅でも食うかと思ったが、それも時間がかかるというので、
味噌田楽(350円)を注文。そのくらいでゾノが来店。

普通に食うかと思いきや、ブルーベリーソフトクリーム(250円)のみを注文。
なっなんと!?と思ったが、どうやら夜のうな丼に備えて腹も財布もセーブしておきたいようだ。
よく空腹に耐えられるもんだと思いながら味噌田楽を食し終えた俺は、
到着したゆーゆー定食を平らげ、さらにブルーベリーソフトクリームをほおばるのであった。

ネットの口コミに、富田屋には当日に一応電話を入れて、
やっているか確認をした方が良いと書いてあったので、電話してみると、おばちゃんが出た。
17時くらいにそちらに伺おうと思っている趣旨を述べると、
おばちゃんはけだるそうに「今から病院行こうと思ってるんだけど。。。」と煮え切らない。
料理はご主人が作るんだろうと思ったので、別におばちゃんいなくてもいいんでないかと思ったが自制し、
「夜の営業はするのかしないのか?するなら何時から行けばいいのか?営業しないなら他をあたらないといけないので今すぐ回答が欲しい」
という旨を丁寧語で聞くと、しぶしぶな感じで「18時くらいなら帰ってくると思うけど。。」というので、
「では18時に伺います」と言って切った。
別に腹は立たなかったが、せっかくの客なのに、そんな態度を取るのは何故だろうと不思議だった。

ふと時計を見ると15時過ぎ。いやもっと遅かったかもしれない。
18時にうな丼を食うことを計算すればゾノの選択が正しかったのかもしれないが、
川魚好きな俺にすれば鮎を見逃すわけにはいかなかった。

66_33.JPG

腹も一杯になり、とりあえず富田屋のある田口付近まで走る。
まだ18時までに時間があったので、国257で高原道路に入り、
折元インターで下り、津具街道(県10)で南下するコースを走りきると丁度18時くらいになったので富田屋に入った。
入ると、電話をしたおばちゃんと、ご主人らしきおっさんがいた。

おばちゃんは愛想良かったが、おっさんは俺らに一瞥をくれるとプイと何も言わずに奥に引っ込んでしまった。
商売人として失格だと思ったが、うまけりゃ別にいいやと思って写真のうな丼(1500円)を注文。
ゾノも俺の真似をしてうな丼を注文。
すると、おっさんは奥にひっこんだままで、おばちゃんがうなぎを焼き始めた。
壁を見ると、調理師免許などの証明書的なものの名前が女性の名前になっていたので、
このおばちゃんの店なのかと思った。
ならおっさんがそっけなかったのも少しは理解できたが、同時に、協力してやれよと思った。
それか、相手を見て態度を決める人間失格者なのかもしれない。
なんにしても、うなぎは外はカリカリで中はふわふわでうまかったが、
また是非行きたいかと問われれば別にいいかなという感じ。

おいしくいただいた後に、試しにおばちゃんに「ここらへんて蛍見られるところあります?」と聞いてみた。
すると、田んぼを作っているという他のお客さんも巻き込んで親身に答えてくれた。
的を得た答えは得られなかったが、この最後のやりとりだけでやはりまた来てもいいかなと思えた。
おばちゃんとお客さんにお礼を言って蛍探しに出かけた。


事前に調べたつぐの里ほたるマップを元に大体の辺りはつけていた。
さっき南下した津具街道を北上し、県427で東に折れる。
道沿いにホタルポイントが点在しているので、
もしいるなら適当に停めても見られるだろうと思っていた。
しかし、一向に真っ暗闇で、田んぼはあるものの、光は月か人工的なものばかりだ。
こんな山奥に来ても拝めないのかと落胆した。
諦めて引き返そうかとも思ったが、一縷の望みをかけて、
「ホタルの里」と銘打った場所に行ってみることにした。

ちょいちょい迷いながらなんとか到着。
いかにもなゆるやかに流れる清流がが流れていた。
今日は月が煌々と辺りを照らし、ホタルほどのささやかな光はかき消してしまいそうだった。
バイクのエンジンを止めてゾノと共に辺りを探す。















いない。。。





駄目か。と思ったが、諦めきれずに更にくまなく探す。
時刻は、ホタルが姿を現すベストな時間帯、19時半〜21時の間だった。


スッ


視界の片隅で何かが光って消えたように感じた。
すわホタルかと思ったが、同時に月明かりに照らされた埃か何かかとも思った。
しばらく凝視していると、淡い光が線を描いてやがて消えた。



ホタルだ。



少年のように心躍らせたおっさん二人、川沿いの方に近づいていった。
すると、俺たちを待っていたかのように数十匹のホタルが出迎えてくれたのだった。
月明かりが強すぎる感はあったが、感動的な景色だった。
しばらく見ていると、どんどんホタルの数が増えていくようだった。
点いては消え、消えてはまた点いた。
昔は家の近所に良くホタルが飛んでいたというゾノも久しぶりの光景に感動を覚えていたようだ。

なんとかこの光景をカメラに収めたいと頑張ったが、難しかった。
ようやく撮れたのが下の動画だが、実物とは比べ物にならない。
改めて今見てみると、全然映ってなくて愕然としている。


今の時代、何でも画像や映像があり、そこに行った気分にさせてくれるほどの綺麗さだが、
結局は実地で見るに限るのだと思った。
その実物の美しさは、ゾノをして、「また来年来よう!」と言わしめるほどのものだった。


十分に感動し、帰路についた。

66_44.JPG

帰りは国153まで出て帰ろうかとも思ったが、
いつも通りの山道をそのまま帰るのも乙だということで
257⇒420⇒473を使って帰宅。
下界に下りるまで、すこぶる寒かったのは言うまでもない。
ゾノなどは長袖T一枚。。((((;゚Д゚))))

<所感>

道開拓あり、湯開拓あり、食開拓ありで、最後にホタルで締める。
いやはやかなり凝縮されたツーリングであった。
朝8時集合で帰宅したのが22時くらい。。
酒をかっくらって泥のように寝たのは言うまでもない。
満足な一日だった。
次は走ることが敵わなかった奥浜名オレンジロードを走ってやろう。

総走行距離 = 372km

BOWZ Samurai Brigade TOP

旅跡TOP 2007 2008 2009 2010 2011
炎跡TOP 旅談 旅図